サラ金のCMがタレ流されている

(2001.12)

TVでサラ金会社が「借金してハワイに行こう!」
と毎日CMを垂れ流している。

借金して家や車を買ったり、旅行するのは無知な貧乏人で
貧乏人はその罠に嵌って借金に尻をたたかれ、考える時間を失い、悪循環に陥る。
「借金も財産のうち」と言うが、それはアホの考えだ。
(「金持ち父さん 貧乏父さん」より)



金融屋の取り分まで働くのはバカげている。


僕は昔、物欲の塊で、モノを買いすぎてローン地獄に陥ったことがある。

車、バイク、大型テレビ、高級ステレオ、BOSEのスピーカー、

ウインドサーフィン、スキー用品、ビーチリゾートなどにつぎ込んで

1万円の買い物でも3回払いで買っていた。

毎月の給料はすべてローンに消えていった。


その苦しみを経験したからこそ、今は

「物欲は煩悩、かつ諸悪の根源」だと言える。


奇跡的に僕をローン地獄から救ってくれたのはパチンコだった。

その頃、「パニック」というスリーセブン系の機種には

数字の回転をストップさせるボタンがついていた。

「パニック」にはテンパイ目があって、それ以外の数字が表示されたら

ストップボタンを押して周期を崩してやれば勝てた。

電気はプラスとマイナスの2進法だから偶数と奇数は同じグループで

たとえば369、581、703、925という数字はすべて147に収束する。

表示された数字を瞬時に計算して、テンパイ目に収束するか否かを判断し

回転が止まる10数秒の間にボタンを押すか押さないかを決める。

(詳しいことは僕に酒をオゴりながら、聞いてください)


3ヶ月で純利益が50万円以上あった。

休みの日は朝から晩までパチンコ屋にいた。

平日も毎日入り浸っていれば、もっと儲ける事ができたはずだ。

その頃になると、777が来てもほとんど感動は無くなっていた。

当時の僕は「この調子で未来永劫、勝ち続けるのだ。」

という幻想を抱き、パチプロを気取っていた。


やがて「パニック」はパチンコ屋から消えて

それ以降の機種にはストップボタンは無くなった。

僕はパチンコ屋へ行くのをやめた。

ストップボタンが無ければ、勝てる見込みは無いのだ。


そして、ローンとも縁を切った。

無理なローンを組まなければ若い時の大切な休日を

不健康なパチンコ屋で過ごす必要は無かったのである。