図解 病気にならない生き方

新谷弘実 Sinya Hiromi
順天堂大卒 ニューヨーク在住
30万例の胃腸内視鏡検査と9万例以上のポリープ切除術の実績


肉を食べてもスタミナはつかない

馬や鹿のような草食動物は
肉食のライオンより、はるかに発達した筋肉を持っている。
草食動物のゾウやキリンはライオンやトラの何倍もの大きさがある。


動物性蛋白をたくさん食べると成長が速くなるということは事実。
逆に言えば「成長」はある年齢を超えた時点で「老化」に変わる。



牛乳は「錆びた脂」

牛乳ほど消化の悪い食物はない。
牛乳に含まれるタンパク質の約8割を占める「カゼイン」は
胃に入るとすぐに固まってしまい、消化が悪い。


市販の牛乳はその成分がホモゲナイズ(均質化)されている。
脂肪分を均質化させるために撹拌されている。
撹拌するときに牛乳に空気が混じり、乳脂肪分が過酸化脂質になる。


過酸化脂質は「酸化がとても進んだ脂」いわば「錆びた脂」
その錆びた脂を含んだ牛乳を、今度は100度以上の高温で殺菌する。
エンザイムは熱に弱いため、死滅する。
つまり、市販の牛乳は、大切なエンザイムを含まない。
しかも、脂肪分は酸化し、タンパク質も高温のため変質している最悪の食物。


自然界で大人になっても「乳」を飲む動物など一つも存在しない。
牛乳の替わりに豆乳を飲め。



「ヨーグルト神話」には疑問

ヨーグルトを常食していると、腸相は悪くなる。
これは30万例の臨床結果から自信をもって言える。



マーガリンほど体に悪い油はない

植物油というのは常温下では液体である。
ところがマーガリンは植物油であるにもかかわらず固まっている。
その理由は、水素を添加し
不飽和脂肪酸飽和脂肪酸に人工的に変化させているからである。


家にマーガリンがあったら、すぐ捨てなさい。
パンに塗るなら、ゴマペースト、きな粉入りピーナッツバターなど



エンザイムの多い食べ物を食べなさい

ライオンなどの肉食動物は、獲物を捕まえたとき
かならず内臓から食べ始めるが、それは内臓がエンザイムの宝庫だから。


エスキモーのように植物のほとんど育たない極寒の地で暮らす人々も
アザラシを捕らえると真っ先に内臓を食べる。


エンザイムは加熱に弱いので
野菜でも魚でも、鮮度の良いものを、生で食べるようにする。



チンパンジーの食事

チンパンジーの食事を見ると、その96%は植物食
その内訳は、果物が50%、木の実や芋類が46%
そして残りのわずか4%がアリなどの昆虫を主とした動物食。


チンパンジーの胃腸を内視鏡で見たことがあるが
彼らはとてもきれいな胃相・腸相をしている。


人間の歯に犬歯が少ないのは
肉を食べる必要が無いことを意味している。



ガスモチン 大日本住友

The Naha Terrace



「何故、胃は痛むのか?〜ディスペプシアの考え方と治療〜」
兵庫医大 上部消化器科 三輪洋人教授


機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)

【定義】
「症状の原因となる器質性、全身性
 あるいは代謝性疾患が無いのにもかかわらず
 胃・十二指腸に由来すると思われる症状が存在するもの」


【症状】
食事に関連するタイプ
◇食後膨満感
◇早期満腹感


食事に関連しないタイプ
◇心窩部痛
◇心窩部灼熱感


【治療】
◇消化管運動機能改善薬(ガスモチン
◇胃酸分泌抑制薬(PPIなど)
抗不安薬セディール



FDは内臓の知覚過敏であることがわかっている。



http://kanja.ds-pharma.jp/health/kenkou/about/fd/index.html


【患者向けの説明】
従来は「慢性胃炎」と呼ばれていたこの症状を
最近では「機能性胃腸症」と呼んでいます。


機能性胃腸症」は
内視鏡検査などで胃に潰瘍やがんなどが認められないのに
胃のもたれや痛みを感じる症状のことをいいます。


こうした症状は、昔は胃下垂、胃アトニーと呼ばれ
最近まで胃けいれん、神経性胃炎、慢性胃炎などと診断されてきました。


しかし、胃の粘膜に何の異常もないのに
「胃炎」を使うことは正確ではないということから
近年「機能性胃腸症」と呼ばれるようになってきたのです。


ある調査では、消化器の専門機関を受診した患者さんのうち
約半数の患者さんがこの機能性胃腸症でだったという報告もあるほどで
もしかすると胃の病気の中で一番メジャーなものといえるかもしれません。



六君子湯

NHKきょうの健康」より
渡辺賢先生(慶大漢方医学センター) 


胃もたれ・食欲不振に使われる「六君子湯

六君子湯」は、8種類の生薬から成り
昔から胃もたれや食欲不振に向く漢方薬としてよく使われています。



排出機能の不調や食欲不振も改善される
六君子湯によって胃のリラクセーションの不調が改善されると
胃の排出機能も高まることがわかっています。


また、六君子湯には
グレリン」という食欲刺激ホルモンを活性化する働きがあるため
食欲が増して食欲不振も改善します。
そのほか、胃の血流を促し、胃の粘膜を保護するといった効果もあります。